【賃金向上と設備投資を後押し!】業務改善助成金を徹底解説!

目次

【賃金向上と設備投資を後押し!】業務改善助成金を徹底解説!

はじめに

近年、物価高騰の影響もあり積極的に賃金向上を進める動きが活発化しています。この賃金向上に対応していかなければ企業は人手不足に陥ることになり、生き残っていくことができません。そこで、注目を集めているのが「業務改善助成金」です。

業務改善助成金は、賃金向上を行う企業が実施する設備投資に対して助成する制度です。本記事では、「業務改善助成金」の概要、対象事業者、対象となる設備投資、申請の流れについて解説します。

業務改善助成金とは?

業務改善助成金とは、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を30円以上引き上げ、 生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その費用の一部を助成する制度です。

この助成金は、厚生労働省が管轄しており、中小企業・小規模事業者を対象としています。また、以下のような目的があります。

助成金の目的

  • 従業員の賃金向上
  • 生産性向上
  • 働きがいのある環境づくり
  • 中小企業の競争力強化

助成対象事業者

助成対象となるのは、以下の要件をすべて満たす中小企業・小規模事業者です。

  • 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であること
  • 解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと
申請の単位

申請は、工場や事務所など、労働者がいる事業場ごとに行う必要があるため注意が必要です。

助成対象となる設備投資等

助成の対象となるのは、以下のいずれかに該当する費用です。

  1. 機器・設備の導入:
    • POSレジシステム、リフト付き特殊車両、業務用3Dプリンターなど
    • 生産性向上に役立つものであり、導入後1年以上使用することが見込まれるもの
  2. 経営コンサルティング:
    • 国家資格者による業務フロー見直し、業務マニュアル作成、人事評価制度導入など
    • 生産性向上に繋がるコンサルティング
  3. その他:
    • 顧客管理情報のシステム化、テレワーク導入のための環境整備など
    • 生産性向上に資する取り組み

詳しくは、厚生労働省のウェブサイトに掲載されている「生産性向上のヒント集」をご参照ください。

設備投資の例

  • 小売業:セルフレジ、自動釣銭機
  • 飲食業:自動調理機器、配膳ロボット
  • 建設業:ICT建設機械、ドローン
  • 製造業:産業用ロボット、3Dプリンター
  • 運輸業:運行管理システム、ドライブレコーダー
  • サービス業:予約管理システム、顧客管理システム

助成対象とならないもの

  • 土地、建物
  • 中古品
  • リース契約
  • 消耗品
  • 交付申請前に契約・発注したもの

助成金額の計算方法

助成される金額は、生産性向上に資する設備投資などにかかった費用に一定の助成率をかけた金額と助成上限金額とを比較し、いずれか安い方の金額となります。

助成金額の計算式

助成金額 設備投資等にかかった費用 × 助成率 または 助成上限額

助成率

助成率は以下になります。事業内最低賃金の金額によって異なります。

事業場内最低賃金助成率
900円未満9/10
900円以上950円未満4/5 (9/10)
950円以上3/4 (4/5)
※ ( )内は生産性要件を満たした場合の助成率

なお、生産性要件の詳細は以下をご確認ください。

助成上限額

助成上限額は以下になります。賃金引上げ額や引き上げる労働者数によって異なります。

コース区分事業場内最低賃金の引上げ額引き上げる労働者数助成上限額(右記以外)助成上限額(事業場規模30人未満)
30円コース30円以上1人30万円60万円
2~3人50万円70万円
4~6人70万円100万円
7人以上100万円120万円
10人以上120万円130万円
45円コース45円以上1人45万円80万円
2~3人70万円110万円
4~6人100万円140万円
7人以上150万円160万円
10人以上180万円180万円
60円コース60円以上1人60万円110万円
2~3人90万円160万円
4~6人150万円190万円
7人以上230万円230万円
10人以上300万円300万円
90円コース90円以上1人90万円170万円
2~3人150万円240万円
4~6人270万円290万円
7人以上450万円450万円
10人以上600万円600万円
※10人以上の上限額区分は、特例事業者が10人以上の労働者の賃金を引き上げる場合に対象になります。

特例事業者

以下のいずれかの要件に当てはまる場合は、特例事業者となります。なお、2に該当する場合は助成対象経費が拡充されます。

  1. 申請事業場の事業場内最低賃金が950円未満であること
  2. 原材料費の高騰など社会的・経済的環境の変化等の外的要因により、申請前3か月間のうち任意の1か月の利益率が前年同月に比べ3%ポイント以上低下していること

2に該当する場合、通常は助成対象とならないパソコン等や一部の自動車も、助成対象となります。

申請の流れ

業務改善助成金の申請の流れは以下の通りです。

STEP
交付申請

事業場所在地を管轄する都道府県労働局に、交付申請書・事業実施計画書などを提出します。

STEP
交付決定

労働局による審査を経て、交付決定が通知されます。

STEP
事業の実施

交付決定後、申請内容に沿って事業を実施します。

STEP
事業実績報告

事業完了後、労働局に事業実績報告書等と助成金支給申請書を提出します。

STEP
交付額確定と助成金支払い

労働局による審査を経て、助成金が支給されます。

申請書類の作成

交付申請に必要な書類は以下の通りです。

  • 交付申請書
  • 事業実施計画書
  • 就業規則の写し
  • 時間外労働に関する協定届(36協定届)の写し
  • 賃金台帳の写し
  • 労働者名簿の写し
  • 直近3期分の決算書の写し

よくある質問

従業員の賃金はどのように引き上げれば良いですか?

賃金規定等の改定を行い、ベースアップ、役職手当の増額、資格手当の新設などにより、恒常的に賃金を引き上げる必要があります。 賞与や一時金は対象となりません。

助成金の申請はいつまでにすれば良いですか?

原則として、事業実施計画書に記載した賃金引上げ実施予定日の1か月前までです。

助成金の交付決定までにどのくらい時間がかかりますか?

申請内容や時期によって異なりますが、概ね2~3か月程度です。

生産性向上のための設備投資等を複数実施することはできますか?

はい、可能です。複数の設備投資等を組み合わせて、より効果的に生産性向上を図ることができます。

助成金の申請手続きは複雑ですか?

申請書類の準備や手続きには、ある程度の時間と労力が必要です。 不明な点がある場合は、都道府県労働局の窓口やコールセンターに相談することをお勧めします。

まとめ

業務改善助成金は、従業員の賃金向上と生産性向上を同時に実現するために有効な制度です。 制度の要件や注意点などをよく理解し、積極的に活用することで、 企業の成長と従業員の待遇改善を両立させることができます。

この記事が、業務改善助成金の活用を検討されている企業の皆様にとって、 少しでもお役に立てれば幸いです。より詳しい情報は、下記厚生労働省のホームページをご覧ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。


さらに理解を深めるために

業務改善助成金をより深く理解するために、以下のポイントも押さえておきましょう。

  • 生産性向上の重要性: なぜ生産性向上に取り組む必要があるのか、その意義について理解を深めましょう。 生産性向上は、企業の収益力向上、従業員の賃金向上、 そして働きがいのある環境づくりに繋がります。
  • 適切な設備投資: 自社の課題やニーズに合わせて、どのような設備投資が効果的か、 しっかりと検討することが重要です。 最新の技術動向や業界のベストプラクティスなどを参考にしましょう。
  • コンサルティングの活用: 専門家の知見を借りることで、より効率的に 生産性向上を実現できる可能性があります。 信頼できるコンサルタントを選び、 自社の課題解決に繋げましょう。
  • 人材育成: 従業員のスキルアップは、生産性向上に不可欠です。 研修制度やOJTなどを活用し、 従業員の能力開発を積極的に支援しましょう。
  • 働き方改革: 業務効率化やワークライフバランスの推進など、 働き方改革に取り組むことも、 生産性向上に大きく貢献します。
  • 継続的な改善: 生産性向上は、一朝一夕に実現できるものではありません。 PDCAサイクルを回し、継続的に改善に取り組むことが重要です。

補足情報

  • 業務改善助成金に関する情報: 厚生労働省のウェブサイトや都道府県労働局のウェブサイトで、 最新の交付要綱・要領、申請書類、よくある質問などを確認できます。
  • 相談窓口: 都道府県労働局には、業務改善助成金に関する相談窓口が設置されています。 申請手続きや要件など、不明な点がある場合は、 お気軽にご相談ください。
  • セミナー・説明会: 厚生労働省や都道府県労働局では、 業務改善助成金に関するセミナーや説明会を定期的に開催しています。 制度の概要や申請方法などを詳しく知りたい方は、 参加をご検討ください。
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